女性が薄毛の原因となる病気の一つとして、膠原病があります。膠原病は難病指定されており、根治することが非常に困難な病気です。
このページでは、膠原病に関する基本的な知識を掲載するとともに、膠原病による脱毛症状にお悩みの女性のために、薄毛を改善する対処法について解説しています。
膠原病とは?
膠原病とは、全身性エリテマートデス、慢性関節リウマチ、多発筋炎、皮膚筋炎、全身性進行性硬化症、結節性動脈周囲炎といった自己免疫の異常によって起こる疾患を総称したものです。
膠原病は、体内の血液中にある抗体が、免疫複合体をつくり、身体の様々な器官の組織を攻撃する事で発症します。このような症状が起こるはっきりとした原因はいまだ分かっておらず、国から難病指定されています。
膠原病は、1万人に1人の割合で発症するといわれており、特に女性に多い病気とされています。膠原病になると髪の毛が大量に抜け落ちるケースもあり、女性の薄毛との関連が大きい病気です。
膠原病の症状
膠原病には、以下のような症状があります。
- 37℃前後の微熱が続く
- 発疹
- 紅斑(赤い痣のようなもの)
- 手足の指が白くなったり紫色になる
- 手足や指にしびれが出る
- 関節痛
- 関節炎
- リンパ腺の腫れ
- 目や口の乾燥
- 爪の変形
- 脱毛症状
膠原病の症状としては、発熱、湿疹、関節痛、レイノー現象などの症状が共通して見られます。レイノー現象とは、手足の先が冷えると循環障害が起こり、しびれなどの症状が出ることです。
初期症状としては、手足や顔に発疹や紅斑ができることがあります。このほか、目や口など粘膜の乾燥、爪の変形、皮膚の乾燥、髪の脱毛症状などがみられます。
膠原病の検査方法
おもに、血液検査や尿検査を行います。血液検査にて、白血球数(WBC)、赤血球数 (RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)を調べます。尿検査では蛋白、糖などを調べます。その他、炎症マーカー、酵素活性などの検査があります。
膠原病の治療法
精密検査を行った上で膠原病であると判明した場合、治療が行われます。
膠原病は、根治が不可能な病気とされています。そのため、膠原病の治療は基本的に表面的な症状を抑える対症療法となります。
具体的にはステロイド剤と免疫抑制剤、消炎鎮痛剤の投薬を行います。長期間に渡って投薬を行うため、副作用が起こることもあります。
日常生活での注意点
日常生活で気をつけるべきことは以下の通りです。
- 長時間日光に当たらない
- 風邪を引かないように予防する(マスク・うがい手洗い)
- 身体に無理をしない
膠原病は、医師でも専門医でなければ判別が難しいとされる病気です。早期に医療機関にて診断を受けましょう。
どうして膠原病で薄毛になるの?
様々な疾患の総称である膠原病のなかでも、脱毛症になりやすい疾患は『全身性エリテマートデス』といわれています。全身性エリテマートデスは、特に20代に多い疾患です。紅斑症と呼ばれる蝶のような形の紅斑が顔にあらわれるのが特徴です。
全身性エリテマートデスは自己免疫疾患の一つであり、全身の様々な臓器に障害が起こります。
抗体を作るBリンパ球が異常に活性化することで、本来なら免疫反応を起こさないはずの自己抗原に対しても抗体を作ってしまい、アレルギー反応を引き起こすことで、臓器障害が起こると考えられています。
つまり、免疫機能に異常が出て、自分で自分の身体を攻撃してしまっているということです。
このような全身の疾患により、栄養不足や全身倦怠感、貧血などの症状が出て、大量の脱毛が起こります。髪の抜け方は様々で、円形脱毛症のように一部分のみごっそりと抜けてしまうこともあれば、全体的に抜けてボリュームが減ることもあります。
膠原病によって生じた薄毛を治療するには?
膠原病による脱毛症が生じた場合、体調が改善することで脱毛症状が治まることがあります。
病気によって脱毛が起こると、特に女性の場合は不安が大きいものです。しかし、あまり不安感を持ちすぎるとそれがストレスになり、病気の回復が遅れたり、体調の悪化を招くことがあります。あまり悩みすぎないようにして、気長に回復を待つという心掛けも大切です。
育毛外来を受診する
薄毛治療を行なうには育毛外来を受診します。現在では女性専門の薄毛治療を行なっている病院もありますので、気軽に診察を受けてみることをおすすめします。
女性の薄毛治療に保険適用はあるの?何科を受診?治療費はどれくらい?
薄毛の改善には、市販の育毛剤の使用が役立つ場合もあります。現在は女性用の無添加の育毛剤も販売されていますので、使いやすいものを選んでみると良いでしょう。ただし、治療薬との相性もありますので、念のため主治医にご相談の上でお使いください。