通常、健康的な頭皮は青白い色をしています。青白い頭皮というと、血が通っていないような色で血行が悪そうに見えるかもしれません。しかし、実は青白い頭皮は血行が良く理想的な状態なのです。
逆に、頭皮が赤くなっている場合、血行不良を起こしていたり、なんらかの炎症を起こしている可能性があります。放置すると頭皮のダメージが大きくなるばかりでなく、最悪の場合薄毛になってしまう可能性もあります。
このページでは、頭皮が赤くなる様々な原因と対処法について解説します。
頭皮が赤くなってしまう原因と対処法
頭皮が赤くなる原因としては、血行不良やうっ血によるもの、傷や炎症によるもの、薬品によるものなどが考えられます。それぞれの原因にあった対処を行なってください。
- 頭皮の血行不良
- 頭皮に傷がついている
- 洗浄力の強いシャンプーによる乾燥や炎症
- コンディショナーやスタイリング剤の洗い残し
- カラーリング剤やパーマ液などの薬剤による炎症
- 日焼けによる炎症
- ニキビ・吹き出物による炎症
- 脂漏性皮膚炎による炎症
頭皮の血行不良
頭皮が血行不良を起こす原因には、ストレスや運動不足、加齢、冷え性、栄養不足、過度のダイエットの影響など様々なものがあります。
ストレスによる血行不良
自律神経には交感神経と副交感神経があり、活発に活動しているときには交感神経が、リラックスしているときには副交感神経が優位に働きます。この2つの神経が交互に切り替わることで、私たちは健康を維持することができます。
ストレスは、自律神経に影響し、交感神経を優位にします。交感神経が優位に働くようになると、抹消血管が収縮し、全身の血行が悪くなります。頭皮の血行も悪くなるため、血流が滞り、頭皮が赤く鬱血した状態になってしまいます。
亜鉛・鉄分不足
亜鉛や鉄分などのミネラルが不足すると、貧血を引き起こします。(亜鉛欠乏性貧血・鉄欠乏性貧血など)貧血によって血行が悪くなると、全身に酸素が行き渡らなくなるため、動悸、息切れ、めまい、頭痛、倦怠感など様々な症状を引き起こします。頭皮の血行も悪くなるため、抜け毛や白髪が増加したり、薄毛になることがあります。
解消するためには、不足しているミネラルを十分に摂取する必要があります。食品やサプリメントなどで意識的に摂取するようにしてください。
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頭皮マッサージで血行改善
いずれにしろ、頭皮の血流が滞っていると毛根に十分な酸素と栄養が行き届かなくなります。このままでは近い将来に抜け毛が増加し、薄毛に進行してしまう恐れもあります。
このような血行不良の状態にある頭皮は、カチカチに凝り固まっていることがほとんどです。頭皮マッサージを行っても前後左右に動かすことができない場合は要注意です。
改善するためには頭皮マッサージを根気よく繰り返し行うことが大切。頭皮のツボを軽く指圧しながら、ゆっくりと頭皮全体を動かすようにマッサージしてください。毎日続けることで頭皮のコリがほぐれ、どの方向にも動かせるようになります。
頭皮マッサージはぬるめのお湯につかりながら行うと効果が高まります。ただし、強く指圧しすぎると内出血を起こして逆効果になりますのでご注意ください。
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頭皮に傷がついている
頭皮を爪で引っ掻いたり、衝撃を与えることにより、頭皮に傷がついている状態が考えられます。頭皮は皮膚がとても薄くデリケートな部分です。絶対に爪で引っ掻いたり、強い衝撃を与えないようにしてください。
特に髪の毛を洗うときには、頭皮に爪を立てたり、こすらないように気をつけましょう。指の腹を使って指圧しながら丁寧に洗うようにしてください。
洗浄力の強いシャンプーによる乾燥や炎症
市販のシャンプーの多くには、高級アルコール系と呼ばれる洗浄力が強い石油由来の洗浄成分が含まれています。中でも、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩といった低コストで強力な洗浄力を持った洗浄成分は、皮膚に浸透しやすく炎症を引き起こしやすいというデメリットがあります。
ラウリル硫酸ナトリウム等の合成界面活性剤が頭皮に与える危険性
また、シャンプーには合成界面活性剤、鉱物油、防腐剤、着色料、発泡剤、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが含まれており、これらが皮膚に反応して炎症を起こすことも少なくありません。
体質に合わないシャンプーを使い続けると、頭皮が炎症を起こしたり、皮脂の分泌をコントロールできなくなる可能性があります。シャンプーが原因で頭皮が赤くなっている場合、合成化学成分が入っていない無添加のアミノ酸系シャンプーを使用することをおすすめします。
コンディショナーやスタイリング剤等の洗い残し
シャンプーやコンディショナー、スタイリング剤などの洗い残しがあると、頭皮が化学物質に反応し、かぶれて炎症を起こしやすくなります。
また、シャンプーやコンディショナーの残りカスは、皮膚常在菌の格好の餌となります。菌が繁殖すると、フケ症や脂漏性皮膚炎を引き起こす恐れがあります。
シャンプーの後は、時間をかけてしっかりと泡を洗い流すようにしましょう。また、コンディショナーも頭皮に残らないように毛先だけに馴染ませるようにし、しっかりと洗い流すようにしてください。
カラーリング剤やパーマ液などの薬剤による炎症
カラーリング剤やパーマ液などの強い薬剤を使用することで、頭皮に大きな負担がかかります。何度も繰り返すことで、皮膚へのダメージが蓄積し、頭皮が血行不良を起こしてしまう可能性があります。
白髪染め剤に含まれるジアミンによるアレルギー
カラーリング剤や白髪染め剤にはパラフェニレンジアミン(PPD)という合成化学染料が含まれています。ジアミンはアレルギーを引き起こしやすく、炎症、ただれ、顔面の腫れなど様々なトラブルが報告されています。
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パーマ液に含まれる成分による炎症
パーマ液の1剤に含まれているアルカリ性の成分が、頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。特に皮膚がデリケートな方や乾燥肌の方は皮膚のバリア機能が低下しているため、炎症を引き起こすことがあります。
過去には、海外で縮毛矯正剤を使って切れ毛、炎症、水膨れ、火傷などの症状が現れたとして集団訴訟が起こった例があります。
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薬剤による頭皮の炎症が起こった場合、回復するまでカラーリングやパーマは中止してください。薬剤による頭皮のダメージは、抜け毛や髪質の悪化を招きます。
日焼けによる炎症
顔や身体のUVケアは行っているのに、頭皮のUVケアのことは考えていないという方も多いのでは?紫外線によるダメージも、頭皮が炎症を起こす大きな原因の一つです。
頭皮は普段髪の毛に守られていますが、実は最も日焼けしやすい部分です。また、頭皮は皮脂の分泌が多いため、まるでサンオイルを塗って肌を焼いているのと同様のダメージが起こることも。
普段から日傘や帽子、頭皮用の日焼け止めなどでしっかりとUVケアを行ないましょう。
日焼けてしまった場合、頭皮は軽い火傷を起こしている状態。冷たいタオルでクールダウンさせたり、保湿効果のある育毛剤で疲れた頭皮にたっぷりと栄養を与えてあげましょう。
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ニキビ・吹き出物による炎症
頭皮のニキビも、顔のニキビと同じくアクネ菌の繁殖によるものです。アクネ菌は頭皮に分泌される皮脂や汚れなどを餌に繁殖します。
一般的な市販のシャンプーを使用してもアクネ菌に効果はありません。アクネ菌の繁殖を抑えるためには、抗菌シャンプーを使用する必要があります。
また、皮脂の分泌を抑えるために、生活習慣や食生活の改善が必要です。
脂漏性皮膚炎による炎症
脂漏性皮膚炎は、皮脂を餌とするマラセチア菌という皮膚常在菌(カビの一種)が大量に繁殖するために起こるさまざまな症状をいいます。
あなたは、こんな症状に心当たりはありませんか?
- 頭皮がベトベトする
- 大きな塊状のフケが出る
- 頭皮を引っ掻くと、爪の中にロウ状のフケがこびりつく
- 頭皮の皮脂分泌量が多い
- 頭が痒い
もし、これらの症状に心当たりがあるなら、あなたは脂漏性皮膚炎の可能性があります。脂漏性皮膚炎は、一度かかってしまうと根治は非常に難しく、一生付き合わなければならない病気と言われています。
一般的な市販のシャンプーを使用してもマラセチア菌に効果はありません。マラセチア菌の繁殖を抑えるためには、抗菌シャンプーを継続して使用する必要があります。
頭皮が赤いのは薄毛予備軍!早めの対処を!
頭皮が赤くなる様々な原因を見てきました。どのような原因であっても、頭皮が赤いのは非常に不健康な状態であるといえます。
炎症や血行不良などが原因で頭皮が赤くなっていると、毛細血管は収縮し、血流が悪くなります。
髪の毛は、毛根付近にある毛母細胞が分裂することで成長していきますが、血行不良になると毛母細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、髪の成長が著しく妨げられてしまいます。
毛母細胞が活動を休止した場合、再び元のヘアサイクルに戻るまでに長い時間を要します。症状に気付いたときに、できるだけ早く適切に対処することが大切です。
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