顔や身体のUVケアは熱心にしているのに、意外に忘れがちなのが頭皮の日焼け予防。
ほんの少し外出していただけなのに、びっくりするほど頭皮が真っ赤に日焼けしてヒリヒリ痛い!という状態になってしまうことも。
カンカンに照りつける太陽の下でアウトドアやレジャーを楽しむことが増える季節なら、なおさら気を付ける必要がありそうです。
顔のスキンケアと同様に、頭皮のUVケア対策もしっかりと行っていきましょう。また、すでに日焼けしてしまった頭皮のアフターケア方法についても解説していきます。
頭皮の日焼けが薄毛や白髪の原因に!?
日焼けすると、肌が真っ赤になる人と黒くなる人がいます。紫外線で皮膚が赤くなる人は白人に多く、日本人でも色白の人に多い傾向があります。
日焼けをしても黒くならないなんて羨ましい!と感じる人もいるかもしれません。しかし、色白の人は、メラニン色素によって紫外線を防げないため、シミや皺、たるみなどの紫外線による老化リスクがとても高いのです。なんと、白人の皮膚がん発生率は日本人の100倍以上に及ぶともいわれています。
特に頭皮は身体の中で最も高い位置にあり、最も多く日光にさらされる場所でもあります。頭皮が受ける紫外線の量は、実に顔の3〜5倍になるという報告も。
もちろん、日焼けして肌が黒くなるタイプの人も紫外線によるダメージを受け、DNAが損傷してしまいます。そのため、外出時には必ずUVケアを行い、皮膚の老化を予防していく必要があります。
髪の毛も日焼けする!
頭皮だけでなく、髪の毛も日焼けするってご存知でしたか?
髪の毛が日焼けすると以下のようなダメージを受けます。
- 乾燥して艶が失われる
- 髪の水分量が減り、柔軟性がなくなる
- パサパサの質感になる
- 枝毛や切れ毛が増加する
- キューティクルがはがれる
- 色が抜けて赤褐色になる
- カラーリングした髪が退色しやすくなる
- 頭皮の老化が進み、薄毛や白髪の原因になる
髪の毛は黒くて紫外線を吸収しやすいため、非常にダメージを受けやすい部分でもあります。
紫外線によって髪表面のキューティクルがはがれると、内部のたんぱく質や水分が失われ、スカスカ・パサパサの状態に。また、紫外線により髪内部のシスチン結合が分解されると、髪の強度が保たれず、切れ毛や枝毛を増加させてしまう原因になります。
さらに、紫外線は髪の毛に含まれるメラニン色素も分解します。日本人には黒髪が多いのですが、メラニンが分解されることで、赤褐色に変色します。
カラーリングした髪の毛の場合は、薬剤によって既にメラニンが脱色され、髪に合成化学染料が入っている状態ですので、ますます色が抜けやすくなるといわれています。
紫外線で頭皮の老化が進む!?
顔や身体の皮膚が紫外線によってダメージを受けると、細胞や遺伝子レベルで損傷し、老化が早まることはご存知の通りです。
これと同様に、頭皮も紫外線によるダメージが蓄積されることで老化が促進され、薄毛や白髪などの原因になってしまうことが明らかになっています。
髪の毛は毛根にある毛母細胞が細胞分裂することで成長していきますが、毛母細胞が紫外線による損傷で正常に機能しなくなると、髪質が悪化したり、成長途中で抜けてしまうなどのトラブルが発生します。これが徐々に薄毛に進行することもあります。
また、メラニン色素を作り出すメラノサイト(色素細胞)が損傷すると、髪の毛を黒くすることができなくなり、白髪が増加する原因となってしまいます。
本当に怖いのはUVAによる肌の深部へのダメージ!
紫外線には、紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)があります。波長の長いUVAに比べ、UVBは波長が短く、人体に対してそれぞれに特有のダメージがあります。
紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)
紫外線A波(UVA) | 紫外線B波(UVB) |
---|---|
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長時間日光に当たることで、真っ赤に日焼けして皮がむけるのは主に紫外線B波(UVB)による影響です。UVBは、皮膚表面の細胞にダメージを与えたり、炎症を引き起こすことにより、皮膚がんやシミなどの原因にもなります。
UVBは波長が短いため、ほとんどはオゾン層や雲に阻まれてしまい、地上に到達するのは全紫外線量の10%ほど。そのため、日頃から日傘や日焼け止めの使用などのUVケアを行うことで十分に日焼け予防をすることが可能です。
ただし、本当に怖いのは見た目には何の変化もないのに肌の深部で起こっているダメージです。
一見、紫外線A波(UVA)は、紫外線B波(UVB)のような激しいダメージを与えることはありません。紫外線に当たったからといって肌がすぐに赤くなったり、日焼けして黒くなったりという急激な変化はないため、身体のダメージは少ないように見えます。
しかし、実はUVAがシワやたるみの形成に大きく関わっていることが明らかになってきました。UVAは波長が長いため、肌の深部まで浸透し、コラーゲンを変性させ、徐々に老化を促進させていきます。
しかも、UVAはオゾン層を通り抜けやすいため、UVBの20倍以上が地上に降り注いでいるとのこと。雲やガラスを通り抜ける性質を持っているため、曇りの日や家の中で過ごす日でもしっかりとUV対策を行う必要があります。
真っ赤に日焼けしてしまった頭皮のケア方法とは?
真っ赤に日焼けしてしまった頭皮。このまま放置しても大丈夫なのでしょうか?
日焼けした肌は、軽い火傷を負ったのと同じ状態です。放置すると、水ぶくれやかさぶたがでできたり、シミになってしまうことも。
火傷はその重さによりⅠ度からⅢ度に区別されますが、日焼けは『Ⅰ度熱傷』か『Ⅱ度熱傷』に当たります。火傷をしたとき、すぐに冷水で冷やすなどの処置を行いますよね。同様に、日焼けした後にもきちんとケアを行う必要があります。
また、日焼けした肌は遺伝子に傷がつき、真皮内のコラーゲン繊維が破壊され、エラスチンの塊状変化や光老化が進行しています。日焼けすることで頭皮の乾燥や老化が進み、将来的に抜け毛や白髪の原因になる恐れもあるのです。
しっかりと日焼け後の頭皮のアフターケアをしていきましょう。
患部を冷やす
日焼けした頭皮は火照って赤く腫れ上がった状態です。流水をかけたり、氷嚢を当てて冷やすなどしてクールダウンさせましょう。
患部は乾燥が進んでいますが、赤みがひいていない場合には化粧水などを塗るのは避けてください。できるだけ患部をいじらずに、赤みがひくまで冷やしましょう。
赤みがひいてきたら、保湿成分が含まれた育毛剤で、元気がなくなった頭皮に栄養補給を行いましょう。
はがれてきた皮をむかない
しばらくすると、日焼けした部分の頭皮がポロポロとむけてくることがあります。これは、日焼けした皮膚が死んでしまい、新しい皮膚が再生しようとしているためです。
見た目はフケに似ているため気になってしまうかもしれませんが、無理に取り除くのは絶対にやめましょう。ジュクジュクとした傷跡がいつまでも残ったり、色素沈着してシミになる恐れがあります。
はがれてきた皮は、目の細かい櫛で丁寧に取り除いてください。櫛で頭皮を痛めないように注意してください。
髪の毛を洗うときにシャンプーを使ってもかまいませんが、あまり洗浄力の強いものは避け、保湿力の高いものを選ぶようにしましょう。
頭皮を洗うときには、強くこすったり爪を立てたりすることのないように注意しましょう。
日焼けしたあとに摂取したい栄養素や食品はコレ!
日焼けした後には、肌が軽い火傷を負い、ダメージを受けている状態です。紫外線によって増加しすぎた活性酸素を緩和するために、メラノサイトが働き、メラニン色素がどんどん増加します。
本来なら、活性酸素もメラニン色素も、身体を健康に保つために必要なものです。しかし、活性酸素は増加しすぎることで老化を早めてしまいますし、メラニン色素の増加はシミや色素沈着の原因にもなってしまいます。
そこで、抗酸化作用や美白作用のある栄養素を摂取することによって、活性酸素やメラニン色素の増加を抑えていきましょう。
ビタミンC(L-アスコルビン酸)
皮膚が日焼けすると、紫外線によってメラニン色素が一気に生成され、シミや老化の原因になります。
ビタミンCは、美白作用のほか、抗酸化作用やコラーゲンを作り出す働きがあり、老化予防の筆頭に挙げられる成分です。
細胞の酸化は老化を促進させますが、ビタミンCは自らが細胞の代わりに活性酸素によって酸化されるため、結果的に細胞を守ってくれるのです。
- レモン
- いちご
- ピーマン
- アセロラジュース
- 芽キャベツ
ビタミンE(トコフェロール)
ビタミンEには紫外線から皮膚を守る作用があり、シミやそばかすの予防にも役立つ成分です。
ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、活性酸素により細胞が酸化することを防ぎます。若返りのビタミンとも呼ばれ、老化予防の効果が期待されています。
血行を促進する働きもあることから、 全身の血流を改善し、細胞の新陳代謝を活発化させることで、肌の生まれ変わりをサポートします。皮膚を乾燥から守り、肌のハリやツヤを維持する効果も期待されます。
ビタミンCとビタミンEは同時に摂取することでより回復効果が高まります。
- アーモンド
- ピーナッツ
- うなぎ
- モロヘイヤ
- かぼちゃ
βカロテン
βカロテンは体内で必要量に応じてビタミンAに変化します。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に維持する働きがあるとされ、新陳代謝を高める作用もあります。そのため、不足すると皮膚が乾燥したり、炎症が悪化することもあります。
また、ビタミンAには成長を促進する働きもあり、お肌の健康維持に欠かせない栄養素です。
- 人参
- かぼちゃ
- ブロッコリー
- すいか
- みかん
アントシアニン
アントシアニンはフラボノイドの一種で、赤、青、紫を示す色素として自然界に広く存在します。野菜や果物ではブルーベリー、茄子、カシスなどが有名です。
アントシアニンには強い抗酸化作用があり、日焼け後の活性酸素が増えた身体のケアには適任の成分です。コラーゲンの合成を促進する作用もあり、肌の回復を早める効果が期待できます。
- ブルーベリー
- カシス
- 茄子
- ぶどう
- アサイー
- 黒ごま
アスタキサンチン
近年では多くの化粧品にも取り入れられているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、エビや蟹、鮭などの赤い色素を指します。活性酸素の中でも、皺の形成に関わるとされる『一重項酸素』への攻撃力が強く、強力な抗酸化作用があるといわれています。
- エビ
- 蟹
- 鮭
ルテイン
ルテインは、目の中の水晶体などにも存在している成分で、強力な抗酸化作用があるとされています。
ルテインは人間の皮膚にも含まれており、紫外線による深刻なダメージを防ぎ、酸化や日焼けから肌を守る作用があります。ルテインを摂取することで、肌の老化予防にもつながります。
- かぼちゃ
- ほうれん草
- 芽キャベツ
- ブロッコリー
- 卵黄
リコピン
リコピンはカロテノイドの一種で、トマトやスイカに含まれる赤い色素です。カロテノイドの中でも非常に優れた抗酸化作用を持ち、その効力はβカロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍とも言われています。
リコピンには紫外線によって増加した活性酸素を除去する作用のほか、肌の透明感を維持する美肌作用もあります。
トマトに多く含まれるリコピンですが、熟し具合によって含まれる量が異なります。できるだけ赤く熟したものを選びましょう。
- トマト
- ピンクグレープフルーツ
- スイカ
これらの成分は、1日で大量に摂取するのではなく、毎日一定量を継続して摂取していくことが大切です。食事で摂ることが難しい場合はサプリメントを利用してもかまいません。
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頭皮の日焼けを予防するには?
紫外線は皮膚の老化を促進する一番の原因だと言われています。頭皮のアンチエイジングのためにはいかに日頃からUVケアを行っているかが重要です。
紫外線によるダメージを避けるためにも、外出時には必ず日傘や帽子を使用しましょう。お気に入りのものを見つけて、ファッションとして楽しむのもいいですよね。
日傘には様々なデザインのものがあります。現在はUVカット加工をされている日傘がほとんどですので、傘の色によって効果に差はありませんが、黒い日傘の方がややUVカット率が高い傾向にあります。
ただし、白い色は紫外線を反射し、黒い色は紫外線を吸収するので、白い日傘を使っている場合は反射した光にも注意が必要です。
帽子を身につけるなら、麦わら帽子やメッシュ生地のキャップ・綿素材や麻素材のハットなど、気温が高い日でも通気性の良い涼しげな素材のものを選びましょう。
つばの広い帽子を選べば、顔や肩の日焼け予防にも役立ちます。目の詰まった生地の帽子は中が蒸れて高温になりやすいため、熱中症などに注意する必要があります。
日傘や帽子が使えない場合には、頭皮用の日焼け止めを利用するのも一つの方法です。スプレーなどのスタイリング剤にもUVカット効果のあるものが販売されていますので、そういった商品を選ぶのも手ですね。
しっかりとUVケアを行い、暑い夏を快適に過ごしましょう。
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